今のストリート、ファッションを語る上で欠かせないキーワード、YEEZY(イージー).
アパレルなども展開されていますが、YEEZYのシンボルといえばadidasとのタッグで生み出されたシューズ「YEEZY BOOST(イージーブースト)」です。
定価3万円という高価格帯のスニーカーでありながら全世界で完売が続出。海外では購入をするために徹夜で並んだり、オークションやフリマサイトなどのリセール市場では一足10万円を超える例も珍しくありません。
なぜそこまでのプレミアが付くのか、その魅力はどこにあるのか。本記事ではYEEZYの歴史から魅力までYEEZYの全てに迫り、読者の方の「YEEZYとは?」という疑問を解決します。
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そもそもYEEZYとは
さて、そもそもYEEZYは何なのでしょうか。
ご存知の通りYEEZYはアパレル、シューズ、アクセサリーなどを展開するブランド。本拠地はアメリカにあり、公式サイトYEEZY SUPPLYから購入できます。
YEEZYブランドを主宰しているのはラッパーでありプロデューサーであり、そしてYEEZYのデザイナーでもあるカニエ・ウェスト。
本業のミュージシャンとしてグラミー賞には60回近くノミネートされ、20回以上受賞しています。そして妻がモデルでスーパーセレブのキム・カーダシアン・ウェスト。
YEEZYデザイナー カニエ・ウェスト
デザイナーのカニエ自身のニックネームがYEEZY(Ye’とも呼ばれるそう)で、自身の分身として作り出したのがYEEZYなのです。
しかし、YEEZYはすんなりと立ち上げられたわけではありませんでした。カニエとNIKEの確執やadidasとの契約など、様々な経緯があり現在のYEEZYとなったのです。
YEEZYの立ち上げから現在まで
続いてはYEEZYの立ち上げから現在までを紹介しましょう。それにはまずNIKEの話からしなければなりません。
NIKEやadidasといったスポーツウェアブランドは、スポーツ選手だけではなくアーティスト、ミュージシャンとのコラボレーションをコンスタントに行なっています。
最近ではカナダ出身のドレイクともコラボレーションをしており、カニエ自身も過去にNIKEとのコラボレーションをした経験があります。
その時に行われたコラボモデル「AIR YEEZY」はリリース後、即完売。徹夜での行列ができたほどです。チャッカブーツのようなアッパーにベルトがセットされ、ヒールを包むようなミッドカットのシューズです。
現在では20〜30万ほどの価格で取引されており、サンプル版は1000万円で取引されるというとんでもないスニーカーです。
AIR YEEZY 2 SOLAR RED
しかし、悲劇はカニエとNIKEとの契約にありました。全世界で爆発的な人気を誇り、シリーズ化もされたAIR YEEZYですが、カニエへの支払いはゼロ。せっかくの人気もカニエの元には全く利益がはいりませんでした。
そして、カニエはNIKEとの契約を打ち切ります。
次のパートナーに選んだのはNIKEと同じくスポーツ界の巨人、adidasでした。
そう、このadidasとのコラボレーションによって生まれたのが、YEEZYだったのです。YEEZYがスタートしたは2015年秋冬シーズンから。立ち上がって3年しか経たないブランドです。
当初、YEEZYはadidasとのコラボレーション全てを指していましたが、今現在は独立したブランドとなり、毎シーズンNYでコレクションや展示会を行なっています。しかし、adidasとのコラボレーションは継続中。その中でもシューズラインとして大人気なのがYEEZY BOOSTなのです。
adids ULTRABOOSTを履くカニエ・ウェスト
YEEZYの種類
ここからは、YEEZY BOOSTシリーズの種類とこれまでにリリースされたアイテムを見ていきます。
YEEZY BOOST 350 / 350 V2
YEEZYと聞いてまず思い浮かぶのが YEEZY BOOST 350ではないでしょうか。トゥからシューレースにかけて徐々にアッパーが上がるデザインは他に類を見ないシルエットです。
下の画像はYEEZY BOOST 350がお披露目された展示会ですが、今見てもそのデザインは色あせることはありませんね。
YEEZY BOOST 350 初披露の展示会
実はYEEZY BOOST 350は2回ほどマイナーチェンジを行なっています。
名前にV2がつき、デザインも変更されます。下の画像は2016年にリリースされたYEEZY BOOST “V2” BERUGAの画像。細かな箇所が変更されています。
特徴的なシルエットの部分では、より履き口が広くなり、ツンと上に伸びるようになりました。そして、トゥからヒールまでの長さがより広くなり、ヒールから外にせりだすようなデザインに。サイドソールも調整され、ヒールタブも取り払われました。
サイドアッパーにはSPLY-350の文字とラインがつくようになり、まさにV2と呼べるような進化をしています。ちなみにSPLY-350の意味ですが、SPLYはSUPPLYの略、そして350はおそらくシューズの名前なのです。
YEEZY BOOST 350 V2 Beruga 無印の350から各所がバージョンアップ
続いてリリースされたのはYEEZY BOOST 350 V2 BREDでした。YEEZYでは珍しいブラックカラーに、反転した文字でSPLY-350と刺繍された”BRED”と呼ばれるモデル。
全体的なシルエットはBerugaと変わっていませんが、大きな変更点はヒールタブ。
無印350にあったものが復活し、履いた時にヒールタブを持って履くことで、より履きやすくなりました。最近ではスニーカーでも定番となってきましたが、こうしたヒールタブは正式には「ブートストラップ」と呼ばれ、ブーツを履く時にタブを持って履けるようにという配慮から生まれたものでした。
このヒールタブは、このBREDモデル以降全ての350 V2のモデルにつけられています。V2.1と呼べるようなモデルですね。
YEEZY BOOST 350 V2 このモデル以降ヒールタブがつくようになった
YEEZY BOOST 750
次にYEEZY BOOST 750です。
あまりにも350が有名すぎて影に隠れてしまっていますが、実は一番最初にリリースされたモデルはこの750.
ハイカットかつアッパーにはベルトがあり、どことなくNIKEとのコラボレーションでリリースしたAIR YEEZYを感じさせますが、あちらがスポーツタイプのスニーカーに寄っていたのに対して、こちらはよりミリタリーで、ブーツの印象が強い一足。
価格は45,000円とスニーカーの中では非常に高価でしたが、即日完売。数が少ないだけにリセール市場でもいまだに根強い人気を誇っています。
記念すべき、初のYEEZY BOOST
YEEZY BOOST 700
近年のダッドスニーカーブームのなかで満を持してリリースされたのがYEEZY BOOST 700.
350、750はアッパーこそ違ったものの、ソールのデザインはほぼ同一で、同モデルとかろうじてわかりますが、700に至っては外見からは全くYEEZYだとはわかりません。
国内でのリリース価格は4万円とYEEZYシリーズの中では高価な類に入ります。350は全体が1枚のニット素材で作られていましたが、700は750と同様にシュータンが離れて設置されています。
シューレースを解いて着用することは難しく、より従来のスニーカーに近いモデルになっています。
リリース自体もかなり変則的で、まず第1回目はYEEZY SUPPLYのみでのリリース、その後数ヶ月経ってアメリカとカナダ限定のリリース、そして18年9月に初めて全世界でリリースされました。
ちなみに管理人は18年9月に700を購入。レビューもしているのでサイズ感の確認についても、こちらからぜひご覧ください。
YEEZY BOOST 700 オフィシャルフォト
YEEZY 500
そして、さらにYEEZY BOOST 350のイメージとかけ離れるのがYEEZY 500です。
もはや外見からではadidas製なのかどうかすらわからない一足となっています。
このYEEZY 500は他のシリーズと違い、adidas謹製の”BOOST”と呼ばれるソールを利用していないため、名前に”BOOST”がつかず、YEEZY 500と呼ばれています。
ラバー、メッシュ、スウェードを効果的に使い、同系色であってもレイヤーのある表情に仕上がっています。
これまでにBLUSH(写真)、SUPERMOON YELLO、UTILITY BLACKの3色がリリースされています。
リリース後に即完売が続いているものの、人気は350よりも低めのようで、リリース当日いっぱいはオンラインでも購入できるような状態でした。それでもリリース当日には完売してしまうようなモデルなのですが…。
YEEZY 500 BLUSH のオフィシャルフォト。レイヤーのある表情が特徴。
YEEZY POWERPHASE “CALABASAS”
YEEZYの中でも別のラインとして扱われているのが”CALABASAS”です。
CALABASASはYEEZYの中ではメインラインとは別扱いのものとなっており、adidasのアーカイブの中からカニエがお気に入りとしてあげている”POWERPHASE”というモデルがリリースされています。
見た目の通り、スーパースターやスタンスミスといったadidasからリリースされているオールドスクールなシューズとなっていて、値段も1万5000円前後とYEEZY BOOST 350と比較しても安めの価格設定となっています。
目立ちませんが、スリーストライプがあり、adidasのロゴもシューホール脇に鎮座。”CALABASAS”の文字がなければYEEZYと見分けがつかないモデルですね。
これまでにグレイ、ブラック、ベージュの3色がリリースされています。
YEEZY POWERPHASE “CALABASAS”オフィシャルフォト
YEEZYはなぜ人気なのか
さて、現在までにリリースされている全種類のYEEZYを見ていただいたところで、なぜYEEZY BOOSTシリーズが人気なのかを紹介したいと思います
デザイン
まずはデザイン。
YEEZY BOOSTはカニエ独自の美学に基づいてデザインされており、ヒラメのようなシルエットで、足の甲にかけて迫り上がるデザインは他に類を見ません。
コンバースやVANSといったオールドスクールのシューズとは一線を画し、さらにハイテクシューズと呼ばれるようなものとも異なるデザインで、まさにスニーカーの新世代を切り開いたといっても過言ではないデザインです。
また、後述しますが、adidasのテクノロジーにも支えられ、まさに靴下ようなフィット感があることも重要なポイントです。
下記の写真はYEEZY BOOST V2 BERUGAを履いているカニエの足元。シューレースを結んでいないことがわかるでしょうか。
計算され尽くしたシルエットに、adidasの技術が組み合わさることでシューレースはただの飾りになってしまっています。
このような履き方をしても疲れない、履きづらくない理由に、adidas独自の技術があります。
カニエ流 YEEZY BOOSTの履きこなし
テクノロジー
では、そのテクノロジーについて解説していきましょう。
YEEZY BOOSTでは、主に2つの技術に支えられています。1つはブーストソール、もう1つはプライムニットです。
adidasのフラッグシップモデルである「ウルトラブースト」を始めとし、ランニングやその他のスポーツモデルのほとんどに搭載されているBOOSTソール。
見た目は発泡スチロールのような素材ですが履いてみるとフワフワ、プヨプヨ、一度履いてしまうと他の靴が履けなくなってしまう魔力に満ちています。
YEEZY BOOSTにはこのテクノロジーが採用されており、プライムニットのフィット感も相まってデザインだけではなくはき心地も抜群のシューズとなっています。
adidasの他のシューズではブーストソールは見た目でわかるのが普通です。ウルトラブーストではたまに色がつけられたシューズが販売されますが、ブーストソールに色をつけることは技術的にも難易度が高いようで、通常のブーストよりも+3〜5000円ほどになることもしばしば。
しかし、YEEZY BOOSTではブーストソールの周りにラバーのパーツがつけられており、技術的に難しいことを求めていることがわかります。
ブーストソールの素材。集まると発泡スチロールのような見た目に
YEEZY BOOST のソールを裏から見た場合。ヒール部分に”BOOST”の文字があるのがわかります。
ブーストソールは履き心地、ではフィット感はどうなのでしょうか。そこで使われている技術がadiasのプライムニットと呼ばれる技術です。
プライムニットはポリエステルの細い糸を何層にも重ね合わせたadidas独自の技術です。立体成型にも優れており、過去のシューズとは違い1枚のプライムニット素材でアッパーを作ることができます。汚れにも強く、黒やネイビーなどのダークトーンではほとんど汚れが目立たないほどです。
足の動きに合わせて簡単に伸び縮みするものの、適度な伸縮幅に抑えられており脱げることはありません。ウルトラブーストではプラパーツが使われていますが、それを必要としないほどにフィット感がいいため、YEEZY BOOST 350ではそれが取り払われています。
先ほどの写真でカニエが紐を緩めて履いていたのもそうしたテクノロジーの裏付けがあってのこと。デザインやスタイルが実現するために、テクノロジーの進歩が目に見えてわかるというのはスニーカーでは珍しいのではないのでしょうか。
ウルトラブーストの素材。アッパーが1枚のプライムニットでできています。
セレブ御用達
以上でYEEZY BOOSTのシューズ自体の魅力はお分かりいただけたでしょうか。
最後はシューズとはやや離れたところで、YEEZY BOOSTを着用しているセレブを紹介したいと思います。
憧れのアーティストやセレブが着用しているアイテムはどうしても欲しくなってしまうもの。YEEZYも例外ではなく、様々なセレブやアーティストが着用しています。
特にジャスティン・ビーバーや、デイヴィッド・ベッカムはYEEZYシリーズをファーストモデルから着用している画像がパパラッチされています。
ジャスティン・ビーバー
メッシ&スアレス
他にもオバマ元大統領や、カニエの妻のキム・カーダシアン、ファレル・ウィリアムスなど様々なセレブリティが着用しています。
YEEZY BOOSTを購入するために
さて、ここまで長々と書いてきてしまいましたが「じゃあYEEZY買うためにはどうしたらいいの?」ということで、最後はYEEZYの購入方法について紹介して終わりにしようと思います。
まず、YEEZY BOOSTシリーズに関しては完売続きで、気軽に店舗に行って購入することはできません。ではどうするかというと大きく分けて、adidas公式で購入する方法と、国内のスニーカーショップで購入する方法、YEEZY SUPPLYで購入する方法の3点があります。
いずれにしても事前の抽選による販売、オンライン発売でも、リリースと同時にアクセスは必須になっています。
adidas 公式で購入する場合
adidasで購入する場合、オンラインと店舗購入の2つの方法に分かれます。店舗で購入する場合は、adidasオンラインで事前に行われる抽選に参加します。これはadidas originalのブログで予告され、指定の手順に沿って申し込んでください。
adidasオンラインはYEEZYの特設ページが作られていて、リリースの際にはこちらから購入することができます。オンラインでのリリース直後はサーバー負荷によってアクセスしずらい状況が続きますが諦めずになんどもチャレンジしてください。管理人は350V2、500、700共にオンラインで購入しています。
スニーカーショップで購入する方法
国内の有力店舗(atmos、mita sneakersなど)では事前抽選の上で販売を行なっています。当日店頭で抽選を行う場合もありますが、ほとんどはinstagramでのリポスト抽選や、事前の受付によるものなので、各店舗での申し込み方法を忘れずにチェックしておきましょう。
YEEZY SUPPLYで購入する方法
最後はYEEZYのオフィシャルWEBで購入する方法です。こちらはadidasとのコラボモデル以外にも、本家YEEZYのメンズ、レディースアイテムが販売されています。
為替の関係から購入にはクレジットカードまたはPaypalの登録が必要ですが、国内未発売のものをいち早く購入できるという利点もあり、ファンの方は要チェックなサイトです。
ただし、YEEZY BOOSTなどは全世界同時発売の傾向があるのでご注意を。
そして、、、購入するためにはぜひ当ブログSNKRS TOKYOをフォローして最新情報をチェックしてみてください。
SNKRS TOKYOではYEEZYをはじめとしてNIKEやSupremeといったスニーカー、ストリートファッションの情報をお伝えしています!気になった方はツイッターもぜひチェック。
最後の最後でブログの宣伝となってしまいましたが、YEEZYの魅力は伝わったでしょうか?
今後もYEEZYは様々な展開を見せることがカニエのツイッターにて予告されており、19年には新シリーズも展開の予定となっています。
これからますます目が離せないシューズとなりそうです。
YEEZY関係の最新ニュースはこちらをタップ。
2019年にリリース予定のYEEZYシリーズ。カニエウェストのツイッターから(現在は削除?)
SUPLLYではなく、SUPPLYかと!
細かくてスミマセン。
内容は大変面白く拝読させていただきました^_^
佐々木さん>
コメントありがとうございます!
単純な間違いでお恥ずかしい!先ほど修正しました!