本ブログでも何度も取り上げているアメリカのスニーカーリテーラー「KITH」。
今回の記事は11/2(現地時間)にKITHオンラインでリリースされたadidas Future Craft 4Dについて紹介します。
今回のリリースでは、これまでの異なる販売方法を行なったことで購入できない人が続出。公式SNSが大炎上する事態になりました。
原因は一体なんだったのか?
管理人も購入チャレンジしてみたのでレポートと考察を記事にします。
購入しようとしたアイテム
今回購入しようとしたアイテムはKITH x adidas consortium Future Craft 4Dです。詳細はブログでも紹介しておりますが、KITHらしいデザインとadidasの最先端技術が組み合わさって生み出された、デザイン/機能ともに最高の一足。
KITHのインスタグラムで予告されていた発売日は11/2 AM11:00(EST)で、日本時間に直すと11/3 AM1:00(JST)となります。
管理人は念の為AM0:00前にKITHのWEBサイトを時々見ながら待機していたのですが、ここからが大変な出来事の始まりでした。
時間が間違っていた
そもそもの初歩的なミスなのですが、リリースがAM1:00ではなくAM0:00でした。
インスタグラムでは太平洋標準時(EST)で予告されていたものの、アメリカではサマータイム期間中。つまり1時間時計が早く進むので、0時スタートとなります。
販売方法が通常と異なっていた
KITHの購入方法は以前にも記事にしていますが、今回はここで紹介した方法とは全く異なるものでした。
まず、KITHオンラインの通常の商品ページには表示されません。
トップページの中央にある「KITH RELEASE」の項目から別のサイトに移動します。
KITHトップ画面。男性の写真がKITH RELEASEへのリンク。
そうするとアカウント情報の入力を求められます。
管理人は通常のKITHアカウントの情報を入力したのですが受け付けてもらえず、注意書きをよく読むとKITH RELEASE用のアカウントの作成が必要になるとのこと。
改めて氏名、メールアドレスなどを入力してアカウントを発行。
KITH RELEASE アカウント入力画面
そしてそのままKITH RELEASEにログインします。ようやくFuture Craft 4Dとご対面。
画面の中央付近にDRAWING IS NOW CLOSINGと記載がありますが、管理人がログインした際にはUS6〜10までの記載があり、シューズのサイズが選択できるようになっていました。
抽選という情報を事前にキャッチできなかったので「???」と思いつつ手続きを進行しました。
KITH RELEASE adidas Future craft 4Dの画面
抽選のはずが時間が限定だった
さて、抽選を進めるために配送先やカード情報などを入力していきます。画面を見る限りKITH本家やDMSG E-FLASHと同じくShopifyというECサイトプラットフォームを利用しているようでした。
この時点でAM0:05ごろ。
KITH RELEASEではPayPalが利用できないようでカード情報を直接入力しました。
そしてConfirmの画面を押したところ・・・SOLD OUT・・・の文字が。完売です。
NIKE SNKRSなどでは1時間ほどの抽選受付時間を設けていますが、0時スタート、0時8分には締め切りという状況は想定外。
ほとんど誰もアクセスできないのではないでしょうか。そもそも抽選だったのかどうかも疑わしい・・・確かめるすべはないのですが。
お手上げ。
アナウンスが不十分でKITHのアカウントは炎上状態
さて、ここまでの内容をまとめます。
- サマータイムによる発売開始時間の間違い
- KITH RELEASEの利用と新規アカウント発行
- 時間限定の抽選販売
サマータイムについては管理人の認識不足だったのでしょうがないことです。ただ、KITH RELEASE、および時間限定の抽選販売については事前にアナウンスがなくトップページからの誘導もわかりづらかったため購入できない人が続出。
公式SNSには通常の何倍にも及ぶコメントがつき、その中のほとんどが販売方法に関するクレームです。
それに追い打ちをかけるようにインスタグラムの投稿をKITH側が削除。何か不備や不手際があったのでは無いかとコメント欄では追求のポストが止みません。
確かに、ここまで書いてきたように新しいアカウントの発行や時間限定の抽選販売など、ユーザーにとって全く予想できないことが続発してしまったのはKITH側の不手際というほかありません。しかし、なぜこうした状況になってしまったのでしょうか?
その原因のひとつがBOTによる自動購入対策です。
原因はBOT対策?
以前にKITH x TOMMY HILFIGERの販売の際にはリリース時刻ぴったりにKITH本家トップページにパスワードがかけられ、BOTが簡単にアクセスできないようにしていました。パスワードを突破した後は通常の販売方法と同じとなっていたのでユーザーの混乱も少なく、アイテムもBOTに購入されるような状況ではありませんでした。
同様に、今回のかなり変則的なリリースについても、KITH側のBOT対策と考えられます。
数週間前からKITHのWEBサイトが以前よりも重くなり、時々応答しなくなる、画面切り替えが異常に遅いという事態も発生しています。KITHサーバーとPCやスマホの通信を確認するとhumanpresence.ioとの通信が増加しているのに気づきました。
Human Presenceはアメリカに本社を置くセキュリティ企業でBOT対策のプログラム開発を主事業としています。推測の域は出ませんが、私はこのBOT対策プログラムによってWEBサイト全体のパフォーマンスが下がっていると考えています。
繰り返しになりますが、今回のリリース方法については、ほぼBOT対策と言い切れます。
事前にアナウンスされなかったのもBOTによる大量アクセスや同一人物によるアカウントの大量発行を防ぐ目的があったのでしょう。ゲリラ、とまでは言わなくても半ゲリラ的なリリースとなってしまったようです。
以前にもreCAPTCHAのことを記事にしましたが、スニーカーリテーラーやアパレル各社はBOTに対する警戒を強めており、その施策がBOTを利用しないユーザーの怒りを買ったということになるでしょう。
管理人もかなり複雑な購入方法にものすごく戸惑いました。そして日本は深夜作業となるのでそれも辛かった..。
おわりに
いま振り返ってみれば、KITH RELEASEはDSMG E-FLASHに近い存在と考えています。
アクセスが集中しそうなアイテムに対して、既存のサーバーがダウンすることを回避するために隔離した領域(サイト)を準備、そちらにのみアクセスをさせるというやり方です。
KITHはBOT対策に力を入れている数少ないリテーラーのひとつです。
定番アイテムについては通常オンラインでの販売をしていますが限定/コラボアイテムに関しては毎回異なる販売方法を採用しています。
BOT対策ツールなども導入しており、私が知る限りどのオンラインショップよりも対策をしています。
そうした意味においてはユーザーのことを考えてくれていると思いますし、きちんとした販売方法を採用しようとするロニーの姿勢も伺えます。
そして肝心の今後のリリース。
今回の事態を受けて改善するというのは間違い無いと思います。ただ、それは今回やTOMMY HILFIGERコラボの時と同じではなく、全く別の、事前に予想がつかないような販売方法を採用することになると予想しています。
与えられるのは時間とWEBサイトのURLだけ。そこに記載された指示をできる限り早く達成した人だけが購入する権利を与えられるやり方にシフトしていくのかもしれません。
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